団塊世代の最後の恋


団塊世代の最後の恋

我々は団塊の世代。 苦労と貧乏の中で、行きたくても行けなかった高校。 覚えていますか? 集団就職列車。 赤や黄色、白色のテープを窓から投げ、それを拾った親や友は、列車が過ぎ去ってテープが切れるまでじっと放さないで握っていたものだ。 サヨナラの列車の汽笛を覚えていますか? 別れを告げるサヨナラの汽笛。 学生服に白ズックで、故郷に別れを告げた仲間も今は白いものが頭に! しかし悲しさとか寂しさとかいう意識があった? 僕にはなかったね。 だって、就職するということは勉強しなくていいということだもの。 しかし随分恥もかいたね。 やっぱり田舎者は田舎者だったからね。 でも人の優しさとか温もりとかは今でも覚えている。 もうすぐ70歳の大台の年齢。 成功というものは、かつて一度も経験したことがない。 あ、そうだ、一つだけあったよ。 月給を貰って、現金を封筒に入れて送ったことかな。 学校もろくに行っていない親の読みにくいお礼の返事は今でも鞄の中に入れているよ。 でもやっぱり僕だち団塊の世代の人間は自慢してもいいのかな? だって、働き蜂とか仕事中毒とか、外国人の人から見られていたけど、この豊かな日本を誰が作った? 僕たちが朝から夜中まで馬鹿正直に働いてきたからじゃないのか? 残された時間はもうそんなにないとわかってきた。 でも寝たきりにならないように、せめて同じ世代の人たちと何か話でもしたいね。