奇跡の絆
奇跡の絆

発行者:神谷 陵人
価格:324円(税込)
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2012/08/09
最終更新日:2012/07/31 18:42

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奇跡の絆 第1章 第一章 唐突な出会い
7月も半ばを過ぎ、本格的な暑さが日本中を覆い始めた。

梅雨明けから一気に気温が上がり、連日今年の夏は厳しい暑さが日本列島を襲うとメディアは騒いでいた。

そんな夏の始まり。神奈川国際大学では前期末試験が行われていた。

この試験期間が終われば、長いようで短い夏休みがやってくる。

学生の多くはすでに夏休み気分で、海に行くだのキャンプに行くだのとはしゃいでいた。

真面目な学生たちは教科書、ノートにかぶりつくようにしてラストの追い込みをかけている。

社会福祉学科二年の黒崎(くろさき) 崇(たかし)はそのどちらでもなかった。

結して友達がいないわけではない。

夏休みには同じ学部の友人たちと一泊二日で海に行く約束もしているし、バイト仲間や高校時代の友人との飲み会もすでに何件か入っている。

学業においても落ちこぼれというわけではない。成績で言えば中の上くらいだろうか。

一言でいうと、崇は要領のいい男である。

友達付き合いも良く、勉強もそこそこでき、スポーツだってそれなりにこなすことが出来る。あまり知られていないが喧嘩の腕もたいしたものである。

しかし、なんでも卒なくこなしてしまうため、今まで何かに熱中するということはなかった。

なんでも人並み以上にこなし、大きな問題を起こしたこともない。

だが所謂『いい子ちゃんの優等生』というわけでもない。

タバコも吸うし酒も飲む。イケメンの部類に入る顔立ちをしているため、女にだってモテる。

崇自身も何故かはよくわからないが、どこか人と一線を引くところがあり、世の中に対して冷めた部分があった。

そんなわけで、夏休み前の浮き足立った感じもなければ、試験前の鬼気迫る重圧も感じなかった。

崇にとっては夏休みもただ暑くて長いだけ、試験も恒例行事くらいにしか感じていなかった。

今日は試験二日目。崇はいつものように喫煙所にいた。

「さて、ボチボチ行くかなー。」

やや気だるそうにタバコを消し、試験が行われる教室に向かった。
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