短編小説-福の神-ばあちゃんのみかんの木-
短編小説-福の神-ばあちゃんのみかんの木-

発行者:言葉配達人 あき
価格:540円(税込)
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ジャンル:その他
シリーズ:短編小説

公開開始日:2012/07/11
最終更新日:2012/07/01 17:39

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短編小説-福の神-ばあちゃんのみかんの木- 第1章 帰って来ーい!福の神
厄の神は、一気にカビのはえたパンに食らいついてきた。

カビつきパンをほおばるよこで、ぼくがそうじをしようと、

ようふくのうでをまくりあげていると、

さっきまでどこかに行っていたはずのお母さんが、

心配して声をかけてきた。

「何してるの? 休んでないとダメじゃない」

「厄の神、おい出すの!」

「そんなのいるわけないじゃない」

「いるの!」

ぼくの大きな声に、一瞬お母さんも黙り込んだ。

「じゃあ、どうしたら、厄の神さんはいなくなるの?」

お母さんがそうたずねたので、いっしゅんびっくりした。

ぼくは、すぐにお母さんにおしえてあげようと、厄の神をさして言った。

「あそこにいるんだよ。見える?」

お母さんは首をかしげながら、ちらかったパンのふくろと、

ごみとほこりがもり上がっているだけで、だれもいないと言った。

ぼくが、がっかりしていると、お母さんはぼくの顔を見て言った。
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