短編小説-福の神-ばあちゃんのみかんの木-
短編小説-福の神-ばあちゃんのみかんの木-

発行者:言葉配達人 あき
価格:540円(税込)
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ジャンル:その他
シリーズ:短編小説

公開開始日:2012/07/11
最終更新日:2012/07/01 17:39

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短編小説-福の神-ばあちゃんのみかんの木- 第1章 帰って来ーい!福の神
 ぼくは、その夜、厄の神をおい出して、
福の神が来るさくせんを考えた。
考えれば考えるほど、ねむれなかった。
でも、もう熱は出なかった。


十日ぶりに家に帰ると、

「あれま、あれま、ご無事でなすったか。
またまた、熱が出ますよ」

厄の神は、ぼくのかおを見るなり、そう言った。

ぼくは、病院で考えたことを厄の神に聞いてみた。

「ねぇ、厄の神さんは、何がすき?」

「そうですな。生ごみにほこりにケンカに、この家」

「じゃぁ、福の神さんは何が好きなの?」

「そんなの、分かりゃしませんな」

ぼくはいろいろ聞いてみたけれど、
厄の神は、ちっとも福の神のことはおしえてくれなかった。

ぼくは、病院で考えたさいごのさくせんを出すことにした。

「じゃぁ、厄の神さんは、何がきらい?
 ぼく、パン持ってきたんだぁ」

ぼくは入院中にとっておいた、
カビのはえたパンを厄の神に見せびらかせた。

パンを見ると、いっしゅんにして厄の神の目の色が変わった。
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