月ノ夜
月ノ夜

発行者:宮迫 深月
価格:324円(税込)
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ジャンル:ホラー・オカルト

公開開始日:2012/06/01
最終更新日:2012/05/18 18:42

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月ノ夜 第1章 夕暮れ時 転入生
学校に登校すると、案の定クラスは、佐崎の事でもちきりだった。

当たり前だけど、いつも以上に騒がしいなと思いながら、私は自分の席に座った。

あちこちから、『かわいそう』とか、『怖い』とかいう声が聞こえてくる。

そう言ってる声の主は大半が女子だけど、私に電話を掛けてきた女子の声は聞こえなかった。

『本当、あの事件の犯人って最低よね。命を何だと思ってるんだか。ねえ、アイ?』
『え? ……そうね。きっと、悪魔みたいな人に違いないわ』

女子の言葉に相槌を打ったのは、転入生の篠里アイ。いや、もう転入してきてから二か月近く経つんだし、いい加減この形容はやめるべきだろうか。

でも、別に良いよね。だって、私の頭の中だけなんだから。

『……ねえ、宮迫さん何か知らない? 家、現場の近くでしょう?』

突然、篠里アイが私にそう言って話しかけてきた。……この子……ひょっとして、私を舐めているんじゃないだろうか。

『残念でした。私は何も知らないわ。大体夜中の二時過ぎなんて、夢の国を探検してる真っ最中よ?』
『……そう。それもそうね。家の近くであんな事が起きて、宮迫さんも怖いだろうけど、何か知ってるなら言わなくちゃ。ああいう事件の犯人は、早く捕まって死刑になるべきだわ』

……まあ、何て白々しい嘘。周りの女子は『その通り』とか、『アイってば良い事言う♪』とか騒いでるけど。……それと、『死刑になるべき』って言葉が良い事だとは私は思えない。

……それにしても、篠里アイはやっぱり私を舐めてるんだ。気づかないとでも、思っていたんだろうか。……いや、ひょっとしたら、私に話す気があるのかどうか、確かめるつもりだったのかもしれないけど。

あの電話を掛けてきたのは、間違いない。篠里アイだ。
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