死刑を求刑された男
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発行者:澤村 輝
価格:324円(税込)
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ジャンル:ミステリー・推理

公開開始日:2011/11/07
最終更新日:2012/05/02 18:39

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死刑を求刑された男 第1章 第一章 逮捕
 <逮捕>

 楠木圭一は突然逮捕された。
 中央線、阿佐ヶ谷駅から満員状態の車両に乗り込み四谷駅で下車、地下鉄丸の内線に乗り換え赤坂見附で銀座線に乗り換る。一駅目の港区虎ノ門駅に圭一の勤める、(株)瑞穂スポーツがある。
 赤坂見附から浅草方面へ向かう銀座線は虎ノ門駅の改札口が最後方にある為、通勤時間帯は最後尾の車両が特に混雑していた。
 圭一は、その混雑を避けるため、後ろから二両目に乗る事が日常となっていた。
 そして、圭一の乗った銀座線が虎ノ門駅に到着した。
 最後尾に乗っていた人々が我先に改札口へと向かう為、後方から二両目に乗っていた圭一は何時も改札渋滞にはまってしまう。
 出社時間にはまだ余裕があるが、(この混雑から少しでも早く抜け出したい)と心の中で常に思う瞬間だ。
 圭一は前を歩いている者との間隔が少し開いた時、目の前の通路に何か黒い物が落ちている事に気が付いた。
 近寄ると直ぐに財布だと分かったので、後ろの人に押されないよう”さっと”一瞬のうちに拾い上げ、(改札口を抜けてから駅員室に持って行けば良いだろうと)考え、予め持っていた週刊誌と一緒に左手に持ち自動改札を抜けようとしていた。
 そして次の瞬間、それは突然の出来事だった。
 前を歩いていた短髪でネクタイは着けていない料理人風の男が振り返り、圭一を突然睨み付けたあと視線を左手に持っている週刊誌へと移し、間髪入れずに圭一の左手を翻してきた。
 その男は、圭一が”自分の財布”を持っている事を発見すると、何の確認もしようとはせず大声で「スリだ!」と叫んだのだ。
 地下のホームは、通勤者達の足音が響き合う雑踏の中、突然の叫び声に皆が圭一達を注目した。
 
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