鬱病になる人は、頑張り屋で生真面目な人が多いと聞きます。
脇目も振らず自分の感情を押し殺し、ひたすら会社のために働く人たち。社会の犠牲になっているのは、このような人たちです。
今、世の中に蔓延している情緒的な不満や不安、抑鬱感といったものは、こうした自分の感情を抑え込んでいることから起きています。
マイナスの感情を侮ってはいけません。なぜならマイナスの感情があなたの行動にブレーキをかけ、あなたの掃除・片付けの邪魔をしているからです。
しかし、この「マイナスの感情」の本当の恐ろしさは、それだけではないのです。
私たちは今、自分のものでも他人のものでも、「感情」に触れること自体がとても苦手になっています。「感情」に触れることが苦痛になっているのです。なぜなら、自分自身が、マイナスの感情で一杯になっているからです。
マイナスの感情とは、心の中に抱えもつ苦痛のことです。
恐怖、不安、孤独、憂鬱、怒り、自己嫌悪、無力感、罪悪感――そういった否定的な感情、あまり近付きたくない嫌な感情のことです。
以前私は、よく憂鬱な気分になり、何も手に付かなくなることがありました。もちろん片付けなんてできません。
憂鬱というのは、小さな苦痛の塊です。日々の小さなストレスが蓄積され、限界を超えたときに、「憂鬱」というかたちで現れます。
あなたが今、部屋が散らかっているのに、片付けができない理由。
それはなんでしょうか?
あなたがずぼらだから? それともあなたがだらしないから?
いいえ、そのどちらでもありません。
「片付けなくちゃ……」と思いながらも、体が動かないとき。そんなときは、このマイナスの感情があなたの心にブレーキをかけているのです。