奇跡の絆
奇跡の絆

発行者:神谷 陵人
価格:330円(税込)
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2012/08/09
最終更新日:2012/07/31 18:42

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奇跡の絆 第1章 第一章 唐突な出会い
昇と悠樹とは、入学式のときに知り合い、すぐに仲良くなることができた。

崇が心を許せる数少ない友人である。夏休みに海に旅行に行くのもこの二人だ。

昇は勉強はからっきしダメだが、とびっきり明るく、友達も多い。

スポーツ万能で、典型的は体育の出来る子である。

レポート作成時にはいつも二人に面倒をかけているが、憎めない何かを持つ、三人の中では良きムードメーカーである。

悠樹は学部内でトップクラスの学力の持ち主。

その上家が金持ちで、次男の悠樹は家督を継ぐというプレッシャーもなく、自由気ままに生きていた。

色白で整った顔立ち、崇とはまたタイプの違うイケメンで女にモテる。

崇との違いはその甘いマスクをしっかりと活用しているところ。

以前悠樹が遊んだ(弄んだといった方が正しいが・・)女が大学まで乗り込んできたことがあり、そのフォローを昇と崇が行って大変な思いをしたことがある。

お調子ものの昇、ボンボンの悠樹、クールな崇。

まったく違うタイプの三人が何故ここまで仲が良いのか。

実は学部の中でもかなり噂になっている。それぞれタイプは違うが三人とも人よりも秀でた何かを持っているため、学部内でもかなり目立つ。

その三人がつるんでいるのだから周りの反応ももっともだろう。

周りの反応をよそに、三人の友情は本物であった。あまり素を出さない崇もこの二人の前ではそれなりに素を出せていると感じていた。

それぞれが互いの足りない部分を補うように、見事な融和をみせている。

さて、そんなくだらないやり取りがひと段落すると、いよいよ試験が開始された。

崇と悠樹が順調に問題を解いていく中、昇一人が序盤から頭を抱えていた。

そんな昇が嫌でも視界に入る二人はおもしろくてたまらなかった。

試験時間は80分。60分を過ぎると途中退出が可能である。

崇と結城は60分を過ぎ、試験官が退出を許可するアナウンスをすると、早々に教室を出て
いき、そのまま喫煙所に向かった。

「昇かなり序盤から頭抱えてたね!」

「ありゃダメだな。間違いなく落とすだろ。」

崇と悠樹は愉快そうに笑いながら喫煙所に向かって歩いていく。

悠樹はタバコを吸わないが、いつも崇に付き合って喫煙所に来てくれていた。昇も同様である。

20分後、試験を終えた昇は肩をガクッと落として喫煙所にやってきた。
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