☆ボインちゃんはAVギャル番外編(ぷぅ子の痛快疾走な生き様)1
第1章 分かるんだってば・素直になろうよ・時代遅れを払拭するチャンスだってば・カモネギ
(お、これで4回目じゃないか……)裕二は目を向ける。先ほどからあの男、見た感じでは30代か40代の前半だと思うが、ずっと同じ場所をグルグル廻っているではないか。
裕二には分かる。通り過ぎて行くとき、この店をチラッと横目で見ていく事が。非常に気にしつつ横目で見て通り過ぎるって事が。
要するにあの中年は、この店に入りたいわけだ。裕二の背中にある「爆乳エクセレント」という店に入りたいのだろう。それがどうして、初めてなのか恥らうからなのか立ち止まる事が出来ない。道行く人間を眺めていると、そういう事も分かるようになった裕二。あれは間違いなくお客さんだ。そう思いながらタバコを。お客さんが入りにくいと言うのなら、是非こちらから誘導してあげようと。
5回目の姿が見えたとき、裕二はその中年の前に立ってニッコリ笑う。タバコを口に銜えながら、右手に持つ一本を渡すような素振りをして口を開く。
「お兄さん、時間の無駄遣いは止めようよ」と。20代の自分から見れば相手は中年であるが、お兄さんと口にしてやるのは礼儀の一つ。事の外30代付近はおじさんと言われると傷つくのだから。
声をかけられた男、山田清は気が弱いらしい。前を塞がれると足が止まったあげくタバコを受け取ってしまう。「大きいおっぱいが好きなら行く場所は決まってるじゃんか」裕二は店を指差す。人間、正直に生きないと時間を浪費して年老いて死んでいくだけだよと笑顔でつぶやく。清は相手が自分を読み取った事に戸惑っているらしく、相当気が弱いのだろう。
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