盗んでやるぜ!(BL)
第1章 侵入
「よっし、着いたな」
目の前にそびえる邸宅の塀を見上げながら、オレ、羽鳥葵は言った。
「で、どこから侵入するの?」
オレの双子の弟、司が尋ねてくる。
そう、オレたちは今まさにこの邸宅、風間邸に盗みに入ろうとしていた。高い塀が、オレを逆にやる気にさせる。
「どこかに裏口かなんかがあるだろうから、そこから入ろうぜ」
塀にそって少し進むと、ドアノブが光っているのを見つけた。オレはそこまでかけより、ノブを回す。
が。
「ぐーっ…。開かねぇ…鍵かかってるみたいだな」
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