飼い主募集します!
第14章 ばれた!
そして二学期が始まって最初の日曜がやってきた頃。
「よし、そうだ、いいぞ、泪乃!」
「わぅ?くぅ~ん、はふっ!」
姉貴は俺を部屋に呼びつけると泪乃を自分の机の椅子に座らせて何やらやっていた。
「わんっ!」
「よし、完成だ!」
「何が出来たんだ?」
「ふっふっふ、見て驚けバカ」
そう言って、姉貴は一枚の紙を俺に見せた。
何やらみみずがのたくったような文字で
「おはよう」
「ごめんなさい」
「さようなら」
と書かれている。
まさか…。
「これ…泪乃が?」
「その通りだ」
この女、マジで字を書かせやがった。
「いいか泪乃、これは朝起きたときに使う挨拶、
こっちは悪いことをしたときに使う言葉、
最後に書いたのは部活の帰りに皆と別れるときに使う言葉だ」
「わんっ!」
泪乃は元気良く笑顔で吼えた。
本当にわかってるのかね…
95