白昼の追想
第26章 26章 スイッチオン(1年前の追想)
彼は ときどき 仕事の都合で 私の住む都市にやってきて
度に メールで 私を 呼び出す
「○日の ○時に ○○まで来い」とだけ
一方的な 勝手な 都合で押し付けてきて
私はやむなく 仕事の都合を空けて 言われるままに
私を 屈辱の 奴隷に堕とすだけ
部屋の中では 無言で ただ 陵辱を 繰り返す
それでも 互いに 顔見知りの気安さもでて
その頃は ネットでも多少の 会話も交わすようになり
ホテルの部屋に 入る前に カフェや 時には 昼食のレストランでの
待ち合わせを することも
部屋の外では 赤の他人の やや 知り合っただけの関係が タテマエ
傍からは 40過ぎた 男と女 不倫カップルにも 視えたかしら?
普通の会話 普通の男女の 午後
それでも 世間話を しながら
突然の 秘密のスイッチが入れられて 背徳の 世界に誘われていくのだけど
その スリルは また 私を恍惚させる
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