創作話 「ゆる坂の狐」
第3章 創作話 「ゆる坂の狐」第三話
第3話 「娘の家に 泊まる」
娘と共に その家に入って
彼は ちょっと驚いた
小奇麗な 部屋に
障子から差し込む光りが
差し込み 外見からは
そうとは 見えないほど
それぞれの部屋は 花や
家具 装飾で 飾られていた
奥には 小さな
納戸部屋まであり
はいってすぐの所に
立派な竃がある
一段高くなった上り口には
彼女のものと思われる
草履が置かれている
入るとすぐに
囲炉裏がある
囲炉裏には 既に
火が入り 天井から
吊るされた 鉄器のヤカンがある
淡い 湯気を出して
部屋の中に 消えてゆく
その奥が 仏間と客間を兼ねた
大きな部屋がある
六畳二間はありそうなその部屋は
差し込む 光りの中で
畳が 美しく 光っていた
-----つづく-----
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