淫獣の檻
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発行者:夏樹総
価格:章別決済
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ジャンル:ファンタジー

公開開始日:2011/08/07
最終更新日:2011/09/12 22:41

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淫獣の檻 第2章 襲い掛かるモノ
『この枷さえ無ければ、くそっ。私の力で破壊出来ぬなど・・・』
 
 右隣の美女が罵りの声をあげる。

 勿論美咲には彼女の言葉など分からないのが、荒げた声調が彼女の気持ちを物語っているようだ。

「・・・ね、ねぇ。助けを待とうよ?手、痛いでしょう?」

 先程から手枷を壊そうとする北欧美女の手首から肘にかけて、薄紅い雫が流れていた。

 金属で手首を擦り切ってしまい流血したのだろう。

「血が出てるよ?」
 
 美咲も出来るものなら手当てをしてあげたかったが、自分の手は頭上で繋がれたままだ。

 それに少し痺れてもいる。

『・・・哀れな娘よ。・・・・・・くっ・・・このような無力な者まで嬲り者にしようというのか』

 はっとするほど紅い形の良い唇から紡がれる言葉は、やはり美咲には理解する事が出来ない。

 白い美貌に薄闇のように影が迫った。

 現れた男は、金髪で白い肌の彼女とは対照的に黒髪で褐色の肌をしていた。

 物々しい甲冑を着込み、地面を引き摺りそうなマントをつけ、腰には剣を佩いている。

『氷の女王ともあろう御方がこのような姿で辱められる日が来ようとは、な』

 背筋を冷たい刃物でなぞられたかのような声に、その台詞が自分に向けられた物でもないのに美咲の身体は反射的に震えた。

 何というか美声なくせに酷く粘りつくような、悪意の篭った声色だ。

 黒皮に包まれた手が慈しむように美女の頬を撫で、首筋を辿り、乳房の膨らみに這わせる。
『・・・だが美しい・・・』

 声に恍惚とした響きが加わり映画館で濡れ場を見るような気分になり、美咲は必死に眼を逸らす。

 自由であれば脱兎の如く逃げ出したかったし、耳も眼も塞いでしまいたかった。

 くちゅり と音がした。

 白い美貌は氷の柱のように立ち竦み、黒い影のような男はその身体をかき抱き激しく口付けている。

 ぐじゅっ と再度形容のし難い音が零れ、黒い影は身をもぎ離した。

 男の唇の端からたらりと紅い糸が引く。

 男に『氷の女王』と呼ばれた女は唾を吐いた。
『・・・・おぞましい、下種が』

 美咲はそんな声を今まで聞いた事がなかった。それは鼓膜を焼くような憎悪の篭った声だった。
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