暗黒神話①
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発行者:秋月乱丸
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ジャンル:ホラー・オカルト
シリーズ:クトゥルー奇譚

公開開始日:2011/08/04
最終更新日:---

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暗黒神話① 第7章 闇で企む者④
 そして地下倉庫があると聞いた事を思い出し螺旋階段を静かに下りる。南側出口から出て地面を見回すと、懐中電灯を使うまでも無く入り口を見つけた。四角い金属性の枠があったのだ。縦横80cm四方ぐらいだろうか、やや大きめに感じる。隠す意図は無さそうだが事のついでだ、調べておく事にした。
 取っ手を引っ張り出してゆっくりと蓋持ち上げ――真新しいせいか、音はしなかった――内部の階段を確認する。周囲に人影が無いのを確かめて素早く身体を内部に滑り込ませた。蓋は開けておくか閉じておくか迷ったが閉じておく事にした。もしも関係者に見つかれば開けておいても閉じておいても同じ事だ。それよりは見つからない事を優先しておくべきだろう。そう判断したのだ。
 
 階段は意外に深く、3m程も下った頃だろうか、丈夫な樫の木で出来た扉に行き当たった。鍵はかかっていなさそうなので思い切って(そっと)開けてみた。すると僅かな軋み音が響き――

「誰だ!!」

 いきなり怒鳴り声が飛んで来て胆を潰す枝松。

「誰だ!! お前は誰なんだ!!」

 一気に畳みかけられた枝松は口をパクパクさせるのが精いっぱいだ。

「一体お前は何処の誰なんだ!! 何故僕をこんな所に閉じ込める!!」

 閉じ込める? 鍵もかかっていないのに? どういう事だ? 沸きあがって来た疑問が気力を蘇らせ、今更ながら周囲が真っ暗闇である事に気付く。持っていた懐中電灯で照らし、声の主を探し当てて絶句した。

「牧谷のおじさん……?」

 その姿は間違いなく牧谷和久氏のものだった。

「ちょ……眩しい……え? その声は……枝松?」

 幾ら友人の父親とは言えいきなり呼び捨てにされた事に憮然とし

「ハイ……そうです」

 とぶっきらぼうに答えたが、帰って来た答えは予想もしないモノだった。

「何だ、お前だったのか。安心したよ、僕だ。牧谷正明だよ」
「……!!」

 思わず声を失う枝松を気遣うように牧谷正明を名乗る『中年男』が近付いて来る。

「どうしたんだよ、そんなに驚く事も無いだろう?」

 近付いて来る『中年男』の仕草は確かにあの牧谷のモノだ。
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