暗黒神話①
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発行者:秋月乱丸
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ジャンル:ホラー・オカルト
シリーズ:クトゥルー奇譚

公開開始日:2011/08/04
最終更新日:---

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暗黒神話① 第7章 闇で企む者④
 これといって怪しい点はないが、やはり実用性を無視した造りに見える。奥へ行くにしたがって急速に細く狭くなるのだから始末が悪い。何かを置くにしても空間を有効に使えないのだ。三角形をしたものならばピッタリ使えるかも知れないが、そんなモノが日常品がどの程度あると言うのだろう。枝松には三角定規ぐらいしか思いつかなかった。心理的にもキツイ。圧迫感と言うか狭小感と言うのか、とにかく落ち着かず・・・何か息苦しいのだ。内側も尖っていないのがせめてもの救いかも知れないが、正直大した慰めにはならないと結論付けて中央部の調査に向かった。

 遠目に見ていたイメージ通りにガランとした空間だった。一応中央の尖塔へと続くと見られる螺旋階段――コレも木造だ――があるだけだ。何より奇妙に感じたのは宗教施設なのに祭壇の類が全く見当たらない事だった。建築に詳しいワケではない枝松だが、仮にも宗教施設ならば最も重要な場所――神聖な崇めるべき物や偶像を安置する場所だ――を最初に確保しておくのではないだろうか? 設置するのは後にするにしても、配置する場所の印ぐらいはしてあろうに……全く見当たらないのだ。
 床を照らして見回しているその時、螺旋階段が目に入った。「もしかしたらこの上に何かがあるのか?」そう直感した枝松は出来るだけ足音を殺して階段を上がって行った。多少の足音以外は軋み音もしない。さすがに牧谷家がスポンサードしているだけあって、材料も造りも素晴らしい。ソレが枝松の違法な調査を助けているのだから、世の中と言うのは皮肉なモノだ。

 途中に窓が一つも無い螺旋階段を登り切ると最上階の展望台に出た。用心のために懐中電灯を消して周囲を見渡すと、この塔が地上施設の五芒星に対応しているのか五角形をしている事が分かった。北側の壁――と言うか角だが――に小さなテーブルがある。
 もしかするとコレが祭壇なのだろうか?ならばココが至聖所なのだろうか? 施設のスケールと比較するとえらく質素と言うかコジンマリしていると言うか……。疑問を抱えたまま下を覗いてみる。高さは地上三階ぐらいだろうか。外から見た感じよりはやけに低いが、少し身体を乗り出して上を見るとこの展望台の天井ぐらいの高さから尖った屋根が天高くそびえているのが月明かりで見えた。この尖り屋根のせいで高く見えたのだろう。

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