暗黒神話①
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発行者:秋月乱丸
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ジャンル:ホラー・オカルト
シリーズ:クトゥルー奇譚

公開開始日:2011/08/04
最終更新日:---

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暗黒神話① 第7章 闇で企む者④
 地下室への入り口は施設の南側―五芒星の下二つの突端の間―にあるらしい。地上の建築物に関しても実際に造ると話に聞いた以上に奇妙な構造で、中央の尖塔を軸に五つの角を持つ星型―いわゆる五芒星―になっている理由を考えてしまうとの事だった。また中央から上に伸びている突端を北に向け下に伸びている二つの突端は南に向いていて、全ての角は尖らないように切り落とされた形になっている。
 この教会の司祭は切り落とすのではなく丸くしたかったらしいのだが、木造建築でそれは極度に困難なのでしぶしぶといった様子で納得してもらったらしい。職人たちもここの奇妙な雰囲気には気付いており、薄気味悪がってはいるのだが仕事である以上は仕方が無いと割り切っていると言う。仕事が終わり帰宅すると疲れきって泥の様に眠るのだが、不思議と朝は決まった時間にスッキリと目が覚め、その上この現場に来ると妙に元気がでるのだと言う。

 あまり長く引き留めても悪いので適当に話を終わらせ、礼を言って自転車を走らせる。その施設の周りをぐるっと一回りしながら眺めると、確かに野崎や職人の言うとおり五芒星型で先端は切り落とされた形だった。ほぼ完成に近いといっていいのだろう。やけに少ない窓から垣間見える内部はガランとしており、まだ調度品も何も無い事をうかがわせた。
 そのまま自宅に向かいながら枝松は考えを巡らせる。
 確かに地下室はいいだろう。資金さえあればもっともな話なのかも知れない。自分は建築に関しては何も知らないが、冬場の地下室は寒いであろう事は想像がつく。
 地上構造物についてはただの酔狂で説明が付くかもしれない。いささか度が過ぎている言えば言えるが、怪しいという印象を強めはしても決定的証拠とは言えない。
 だが職人たちのあの様子はどうだろう?あの不健康な顔色と相反する、異様な光を湛えたあの眼。そして体調に関する証言。疲れきって泥の様に眠るのに朝は決まった時間に目が覚め、あの現場に来ると妙に元気が出ると言う。
 あの職人は見た目から50歳前後ぐらいだろう。疲れ切った身体が一晩でスッキリ回復するものだろうか?年齢から言っても考えにくい。特殊なスタミナドリンクでも提供しているのだろうか?いや、もしそうならば自慢げに話すだろう、こっちが聞かなくても。
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