暗黒神話①
暗黒神話①
完結アフィリエイトOK
発行者:秋月乱丸
価格:章別決済
章別決済は特定の章でのみ課金が発生いたします。
無料の章は自由にお読みいただけます。

ジャンル:ホラー・オカルト
シリーズ:クトゥルー奇譚

公開開始日:2011/08/04
最終更新日:---

アフィリエイトする
マイライブラリ
マイライブラリに追加すると更新情報の通知など細かな設定ができ、読みやすくなります。
章一覧へ(章別決済)
暗黒神話① 第7章 闇で企む者④
 決意を固めた枝松はまずその日のうちに教会を下見に行く事にした。
S市内の自宅からK村までは自転車で10分あれば行ける距離だ。さらに5分もあれば目的の教会に辿り着く。
 教会の施設は小高い山を南側に臨み、それ以外は田圃に囲まれていると言う立地だった。
事前に聞いていた話では―野崎に牧谷から聞いた話を伝えると大喜びで色々と質問に答えてくれたのだ―施設全体は五芒星型をしており、中央に尖塔がそびえ立っている。工事は殆ど終わりかけているが信者の規模は全くの不明で、教団自体についてはほぼ何も分からない。野崎は「いつか尻尾を掴んでやる」と息巻いていたが、枝松としてもノンビリと待っているワケにはいかないのだ。

 そうして頭の中で情報を反芻しながら現場に辿り着いた。

 実際に施設を目にしてみると、何とも名状し難い雰囲気に包まれている事を感じずにはいられない。確かに大工職人が大勢作業をしている。工具が立てる独特の音も鳴り響いている。皆忙しそうに働いているのは確かだ。だが何故だろう、活気を感じないのは。一見すると賑やかに働いているのだが、そこを支配しているのは「虚ろな忙しさ」とでも言えば一番近いのだろうか、或いは「空しい活気」か「冷めた熱意」か。相反する雰囲気が混ざりあい一種の混沌を作り上げていた。

 資材を運んでいる職人に挨拶し、いかにも興味津津といった感じで話しかけてみるが、その職人の表情はどこか虚ろながら両眼だけが異様に力を感じさせる光を放っているように見えた。しかしその反面、皮膚はどす黒く乾いており職人に至るまで相反する雰囲気を漂わせているのだった。
 その職人の話では、この施設にはこの辺りでは珍しい地下倉庫―それも大きなものだそうだ―があり、その内面はコンクリート壁の内側に腐食に強い種類の木材を分厚く貼り付けている構造なのだ。そうすると木材が湿気を吸い取ってくれる上に、底冷えもある程度防いでくれるらしい。また一日一回程度の頻度で牧谷和久氏が地下室に入って行き、30分から1時間程度出て来ないと言う。地下倉庫の整理でもしているのだろうと言う事だった。
41
最初 前へ 38394041424344 次へ 最後
ページへ 
ページの先頭へ