暗黒神話①
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発行者:秋月乱丸
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ジャンル:ホラー・オカルト
シリーズ:クトゥルー奇譚

公開開始日:2011/08/04
最終更新日:---

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暗黒神話① 第6章 闇で企む者③
 二人とも不安を振り払うように笑い、枝松は牧谷邸を後にした。だが牧谷の祈りもむなしく、毎日のように発作は起こり続く。
 人が変わったように見える時間は日増しに増えて行き、行いも目に見えて変わって行った。酒を飲んだりパイプをふかしたり、車を運転して捕まる事もあった。これまでの牧谷を知る者からすれば信じ難い事ばかりだが、地方都市の常で噂は瞬く間に広がって行った。
 だが周囲の人々は人が変わった様な行いの直後に見せるふてぶてしいと見える態度と、本来の人格の時に見せる相変わらず穏やかで誠実な態度とのギャップに困惑するのだった。そんな中で枝松だけは牧谷を疑う事はせず、変わらぬ付き合いを続けていた。
 牧谷の豹変ぶりを単なる素行不良などではなく、得体の知れない怪奇な現象と捉えていたからだ。そしてソレは日々の牧谷との会話で確信を深めて行った。決定的なのは発作の間に体験する暗闇の中で輝くトラペゾヘドロンを思われるモノを発見したと聞いた時である。

「いつも通り暗闇の中でテーブルの前に座っているんだけど、今回はテーブルの上を手探りで調べてみたんだ。何があるか分からないからゆっくりとね。意外に大きいテーブルのようで、ざっと横2m縦1メートルぐらいだろうか。分厚い本や紙の束もあったんだけど、内容は分からない。明かりが無いからね。そして恐らく椅子の反対側だと思うんだけど……箱があった。手探りで形を探ると洋風の宝箱の様な形でね、表面はスウェードの様な感触だったよ。鍵はかかっていなかったんで開けてみた。そうしたら……黒いいびつなカットを施された宝石があったんだ。表面にはいくつか赤い筋が走っていて、7本の支柱で箱の中に浮かぶ様な形で固定されていた」
「おい、ソレって……」
「そう、以前言った輝くトラペゾヘドロンの描写にピッタリだ。多分間違いないよ。異様な雰囲気も感じたし。何よりも真っ暗やみの中で輝きを放つなんて有り得ない。宝石や金属が輝くのは光の反射だけど、真っ暗闇なんだぜ?それに箱の中を照らす程の輝きだなんて……」
「こうなると、トラペゾヘドロンを所有しているであろう、例の教会が俄然怪しくなって来るな」

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