暗黒神話①
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発行者:秋月乱丸
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ジャンル:ホラー・オカルト
シリーズ:クトゥルー奇譚

公開開始日:2011/08/04
最終更新日:---

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暗黒神話① 第6章 闇で企む者③
 ならばと牧谷は自分が知る限りの事を語り始めた。アメリカで異端とされ弾圧・追放されたらしい事。現地では信徒数からは考えられないほどの巨大な施設を保有していた事。
 何かおぞましい儀式や教義を持っているらしい事。<丘の上に現れた宇宙的なもの>とか<大いなる旧支配者>とか呼ばれるものを崇拝しているらしい事。そして――輝くトラペゾヘドロンと呼ばれる秘宝を保有していた事。

「輝くトラペゾヘドロンだって?」
「ああ。偏方多面体って感じの意味になるのかな? 10㎝ほどの大きさで黒くて表面には赤い筋が所々入っているらしいんだけど……」
「いや、そうじゃ無くて。発作後に君の様子が変わったって言ったろ?その時に君が言ったんだ。ええと……そう、『輝くトラペゾヘドロンが放つ波動が~』って」
「なんだって……? 僕はそんな状態で口にするほどソレに対して思い入れはないぞ? なのにそんな状態で口にしたのか? それに波動ってなんなんだよ。なんだか……腑に落ちない事ばっかりだな」

 二人は何か自分達の知らないところで得体の知れない、名状しがたい恐怖に満ちた企てが行われているのではないかという疑念を抱き始めていた。
 単なる病気ならまだいい。だがコレが古代から連綿と続くオカルトや魔術の類だとしたら? 普段なら一笑に付した事だろう。この科学文明の世の中で何を言っているのかと。
 東京オリンピックも終わり高度経済成長を迎えている今オカルトや魔術など、オマジナイ好きの女子の間だけで生き残っている様なものではないか。そんなモノが生まれた時代からすれば、ラジオやテレビの方がよっぽど不思議な現象だろう。
 だが今日、枝松は自分の目で有り得ない現象が友人の身に起きた所を目撃したばかりだ。また輝くトラペゾヘドロンという聞き慣れないものが奇妙な符合を示した。コレは何を意味するのか? 分からない事だらけだ。それだけに根源的な暗黒を思わせる恐怖を感じざるを得ない状況だった。

「とにかく様子を見るしか無いんだろうな。君を疲れさせてはいけないから今日はもう帰るけど……もしまた同じ事が起きたら、少しでもいいから状況を探るんだ。確か真っ暗やみの中に居たんだよな? その中をとにかく調べるんだ、安全な範囲で。そういやって手がかりを探る以外に手は無いと思う」
「同感だ。やってみるよ。でも、もう起きない事を祈るがね」
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