暗黒神話①
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発行者:秋月乱丸
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ジャンル:ホラー・オカルト
シリーズ:クトゥルー奇譚

公開開始日:2011/08/04
最終更新日:---

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暗黒神話① 第4章 闇で企む者
「そうだ、よく知っていたね。ソレが燎原の火の如く広がり、この県内のO大学でも死傷者を出す騒ぎにまで発展した。それらは主に反権力を掲げた学生達の反発と言えたのだが……」
「だからと言って、死傷者を出していい理由にはなりません!!」

 珍しく京子は声を荒げた。不可解な事件で智之を失って以来、彼女は人の命と言うものに対して非常に敏感に反応するようになっていたのだ。だがソレも枝松は柔らかく受け止める。

「君の言うとおりだ。だが彼らも望んで人を傷つけたのでは無いと思う。若さと情熱が暴発した結果なのだ。無論ソレが免罪符にはなるわけでは無いが、権力への反発が目的なのであって、人を害する事が目的だったワケでは無いと思う。そこは区別しておくべきではないかね?」
「あ、ハイ。すいません、つい……」
「いや、いいのだよ。君の優しさから来る怒りである事はわかる。話を戻そう、学生運動そのものは戦前からあったのはあった。だが第二次大戦で消滅してしまったが、大戦後に再び起こった。学生運動家は日本共産党がバックにいたのだが、安保闘争や羽田闘争、東大闘争やベトナム戦争反対運動の頃までは支持されていた。が、内ゲバや武装の拡大などで次第に国民からの支持を失って行った」
「そうなんですか……平和や差別をなくす為に活動していたんじゃなかったんですか?」
「そのハズだったんだがね、世界反戦デーで火炎瓶や投石で東京はほとんど市街戦状態になったり、バリケード封鎖解除に出動した機動隊員が重さ16kgのコンクリート塊を頭に落とされて死亡したりと、凄惨な事件が続いたんだよ。理想の為なら何をしても良いワケではないさ」
「そんな事……そんな事が彼らの理想とする世界に必要だったんでしょうか? 信じられません」
「さてね……自分を絶対の正義と信じた者が最も残酷になるとは言うが。そんな荒れ狂う情熱の嵐は、一部ではあるが地方都市の高校生達にまで広がりを見せた。牧谷もその影響を受けた者の一人だった」
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