あの空の上 僕らの誓い
あの空の上 僕らの誓い
完結
発行者:碧生怜史郎
価格:章別決済
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ジャンル:青春・友情

公開開始日:2011/07/12
最終更新日:---

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あの空の上 僕らの誓い 第5章 シーンⅣ 2075年8月
 そこには、淡い光を放ちながら宇宙を静かに佇む彗星「シン」の姿があった。
「レイナ、『シン』に取りつく準備はいいか?」
 無線から少々緊張したデクレアーのキャプテンの声が響く。
「着陸軌道に入ったわ。地表到達まで15分。思ったより障害物はないわね。当初の予想よりGが少し高いけど、問題はないと思うわ」
 再び画面に映し出される大量のデータに集中し、玲奈は無線の声にそう答えた。
 彗星シンが、地球の軌道上に接近することがわかったのは、彗星が発見されて間もなくのことだった。その頃、彗星シンはまだ遙か遠い太陽系の果てにあり、その重大性を認識している者は殆どいなかった。彗星シンが地球に接近するのが70年後と言われれば、誰もが安堵し、その存在すら忘れてしまうまで、それほど時間はかからなかった。
 2016年に高速移動宇宙ステーションが本格稼働し始めると、確かに宇宙事業は飛躍的な進歩を遂げた。宇宙船は小型化され、より長距離を高速移動できる宇宙船が開発されるようになった。しかし人類は、その進歩に伴い、ある事実に直面することになった。
 それは、時間だった。実際に高速宇宙船が開発されたことで、宇宙移動にかかる現実的な時間を算出できるようになった人類は、宇宙船が彗星シンまで到達する時間と、彗星シンが地球まで到達する時間を算出し、それが一刻の猶予もないという事実をつきつけられたのだ。
 彗星シンへのアプローチを目的とした小型高速船を開発していた玲奈に、今回の計画が持ち込まれたのは皮肉としか言いようがなかった。
 彗星シンを破壊すること。それが、玲奈に突きつけられた使命だった。
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