あの空の上 僕らの誓い
あの空の上 僕らの誓い
完結
発行者:碧生怜史郎
価格:章別決済
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ジャンル:青春・友情

公開開始日:2011/07/12
最終更新日:---

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あの空の上 僕らの誓い 第5章 シーンⅣ 2075年8月
 宇宙船デクレアーは、予定通りのコースを辿り冥王星の周回軌道に入った。宇宙ステーションを出発してから、すでに1年が過ぎようとしていた。正確に言えば、地球の時間ではすでに10年が過ぎていた。
――あれからもう60年。
 玲奈はすでに失っていた時間という概念を、不意に重く感じていた。玲奈自身には11年前の出来事だが、それは確かにもう60年前の出来事に他ならないのだ。
――真、ここまで来るのに60年かかったわ……
 玲奈は心の中でそう呟いた。
「『シン』を捕捉した。惑星軌道より離脱し、これより『シン』に接近する」
 船内にアナウンスが流れる。玲奈の手にも、緊張感が走った。
 この船には、玲奈以外に約10人程度の乗組員が搭乗していた。殆どが計画当初から宇宙船デクレアーの開発に携わったスタッフたちだった。玲奈は主に、この宇宙船デクレアーのコクピット部の設計とプログラムを担当し、必然的にこの宇宙船の操縦も担当することになった。この計画が発足してから、玲奈はデクレアーとともに成長してきたと言っても過言ではなかった。
 玲奈は手早く宇宙船の軌道を『シン』に接近するためのプログラムに切り替えた。微妙な補正は、準じデクレアーが自動的に分析し修正してくれる。玲奈は、映し出されるデータを検証しながら、プログラムと会話するように指示を送るだけで良かった。
 玲奈は手を休め、外部モニターの映像に目を向けた。
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