あの空の上 僕らの誓い
あの空の上 僕らの誓い
完結
発行者:碧生怜史郎
価格:章別決済
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ジャンル:青春・友情

公開開始日:2011/07/12
最終更新日:---

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あの空の上 僕らの誓い 第3章 シーンⅡ 2065年8月
「レイナ、調子はどう?」
 耳に当てたヘッドホーンから管制室のオペレータを務める同僚のミリアの声が聞こえた。
「うん、順調よ」
 玲奈はマイク越しにそう答えながら、各計測器のチェックを慎重にこなしていった。
「これが終わったら、よくやく地球に帰れるわよ。5年間の長い旅も、これで終わるのね」
 スピーカー越しに、彼女の深いため息が聞こえる。
「私たち戸籍上はもう68歳よ。50年が、たった5年で過ぎちゃうなんて、なんか得をしたような損をしたような不思議な気分ね」
「そうね」
 玲奈はそう言い、深くため息をついた。
 そう、これが最期の旅なのだ。あの日から、この時が来るのをずっと夢見ていた。皮肉な結末ではあるけど、私はあの日の約束を果たすのだ。
 あと数時間でこの宇宙船デクレアーは宇宙ステーションを出発する。この宇宙船は、玲奈と他クルーたちの努力の結晶だった。玲奈は、この宇宙船の開発のために限りあるすべての時間を費やしてきたのだ。
「行ってらっしゃい」
 元気づけるようなわざとらしい明るい声で、ミリアはそう言った。
 玲奈は「行ってきます」とわざと力強い声で答えた。
 そう、私は行くのだ。彗星「シン」に向けて。
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