あの空の上 僕らの誓い
あの空の上 僕らの誓い
完結
発行者:碧生怜史郎
価格:章別決済
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ジャンル:青春・友情

公開開始日:2011/07/12
最終更新日:---

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あの空の上 僕らの誓い 第2章 シーンⅠ 2015年8月
「あ……いや、違うんだけど……でも代わりに……」
 苦手なタイプだ、玲奈は直感的にそう思った。のろまで、意志が弱そうで、そう言う人間と話をしているだけでイライラしてくる。真は、まさにそんな人間を絵に描いたような男の子だった。まるで蛇に睨まれた蛙のように縮こまり、ちょっと叩けば折れてしまいそうな程細い身体をしている。
「玲奈さんは、帰っていいよ。僕がやっとくから」
 真は観念したような口調でそう言った。真はそのまま視線をそらして本を読むふりをしていた。
 真が「玲奈さん」と言った瞬間、何故かどきっとした。学校で下の名前で呼ばれた事なんてなかった。同じクラスの友達からも、部活の仲間からも、「初瀬」とか「初瀬さん」と、名字でしか呼ばれたことがなかったのだ。それはきっと、自分にどこか他とは馴染めない雰囲気があるからだろうと思っていた。
 玲奈は、不意に恥ずかしくなって、何と言って良いのかわからなくなってしまった。真は、そんな玲奈を不思議そうに見上げていた。
「名前は?」
 玲奈は咄嗟にそう言った。真はますます不思議そうな顔をして、玲奈を見上げていた。
「私はあなたの名前を知らないわ。そういうの、不公平じゃない」
 玲奈は自分の顔が何故か赤くなっていくのがわかった。こんなのは私じゃない。玲奈は心の中でそう呟いていた。
「……あ、僕は……宅間……宅間真……」
 真は同じように頬を赤らめながら、そう答えた。
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