あの空の上 僕らの誓い
あの空の上 僕らの誓い
完結
発行者:碧生怜史郎
価格:章別決済
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ジャンル:青春・友情

公開開始日:2011/07/12
最終更新日:---

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あの空の上 僕らの誓い 第2章 シーンⅠ 2015年8月
 あの日、玲奈は学校へと続く坂を歩いていた。
 夏の日差しが容赦なくアスファルトに叩きつけられ、溶けてしまいそうだ。1億4959万7870km。玲奈はそう呟いた。自分と太陽との距離。8分17秒。それは、太陽の光が自分に到達するまでの時間。
 夏休みに学校に行くなんて、こんな憂鬱なことはない。玲奈のそんな重い思いに追い打ちをかけるように、容赦なく太陽の光は照りつけていた。
 玲奈は校舎に入ると、そのまま図書室へ向かった。その日、玲奈は図書委員として受付当番をする予定なっていたのだ。なんで図書委員なんて選んでしまったんだろうと今更ながらに悔やむ。本を読むのは嫌いではないが、図書室は嫌いだった。辛気臭いし、何故か落ち着かない気分になる。だいたい、玲奈はじっとしていられる性分ではなかったのだ。こんな所に閉じこもっているより、外へ出て陸上の練習をした方がよっぽど増しだ。玲奈は、自分自身が一般的に言う「体育会系」の部類であることを自覚していた。
 図書室に入ると、すでに受付の椅子に一人の男子生徒が座って本を読んでいた。
「ねえ。そこでなにしてるの?」
 それが玲奈が真と初めて交わした会話だった。
「ほ……本を読んでるんだけど……」
 真は玲奈に気がつくと、ぎこちない口調でそう答えた。
「図書委員?」
 玲奈はぶっきらぼうにそう訊ねた。
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