DEAREST -another story-
DEAREST -another story-
成人向完結
発行者:穂積
価格:章別決済
章別決済は特定の章でのみ課金が発生いたします。
無料の章は自由にお読みいただけます。

ジャンル:恋愛
シリーズ:DEAREST

公開開始日:2011/06/09
最終更新日:---

マイライブラリ
マイライブラリに追加すると更新情報の通知など細かな設定ができ、読みやすくなります。
章一覧へ(章別決済)
DEAREST -another story- 第2章 In the forest:幸せに潜む影
「………っ!!!」

びくりと、一瞬身を強張らせたシルエが目を開いた。
飛び起きはしなかったものの、身体は汗でじっくりと濡れている。
無意識に身体を抱きしめていた腕はカタカタと震え、薄く開いた唇からは浅く乱れた吐息が繰り返し零れていた。

そのまま布団の中で小さく身を丸め呼吸を整えていたシルエは、不意に背後から伸びてきた腕に再び肩を揺らす。腕は構わずそのまま彼女を抱きしめた。
しかしそれは、悪夢の中のあの腕とは違いしなやかで温かく、まるで真綿で包むような柔らかさを持って彼女を抱きしめる。その優しい拘束にシルエはほっと息を漏らした。

「……大丈夫?」

次いで囁くようにかけられたのは、愛する人の低めの声。
自分の胸元で交差する腕に縋るように両手を添えたシルエは、応えるように小さく頷いた。

「最近ずっと、うなされてるの知ってた。」

そう、それはこの森に住まうようになってしばらく経ったある夜。隣で寝ている彼女が苦しげに眉を寄せて額に汗を浮かべているのに気づいた。夢から覚めた後、ガタガタと震える身体を抱えて小さくなっていることも。

「シルエ、隠してるみたいだったから気づかないふりしてたけど…流石に心配だ。」

しっかりと抱きしめた身体は、今も震え続けている。
無理に聞き出したくはなかったが、愛する人を恐怖の中、独り置き去りにするのは耐えられなかった。
ラトの気持ちが伝わったのか、彼の腕に添えられた手に僅かに力が入り、次いでシルエが何かに耐えるように小さく息を吐き出す。彼女は体勢を変えないまま、震える声で語り始めた。
6
最初 前へ 3456789 次へ 最後
ページへ 
ページの先頭へ