DEAREST -another story-
DEAREST -another story-
成人向完結
発行者:穂積
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛
シリーズ:DEAREST

公開開始日:2011/06/09
最終更新日:---

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DEAREST -another story- 第3章 In the forest:泉
「笑ってないでシルエも入れよ!!」

そう深くは無い泉は、ラトが立ち上がれば腰の位置くらいに水面がくる。
立ち上がってざぶざぶと水を波立たせながら、ラトが未だ泉のほとりに立って笑い続けているシルエの傍まで寄ってきた。

「え?何……こらっ!!」

なおも笑い続けながら自分を見ているシルエの腕を掴み、抵抗する暇を与えずそのままぐいっと自分の方に引っ張る。
シルエは反射的に手を引いたものの、ラトの力に敵わずそのまま泉の中に落ちた。

「…っ…ラトっ!!」

あまりの冷たさに身を強張らせたシルエが、無意識にラトに身を寄せる。
己の肩に両手でつかまり、身体を震わせる最愛の人を見て、ラトが満面の笑みを浮かべた。そのまま彼女の背に腕を回してだきしめると、泉の冷たさに反してじんわりと温かいシルエの体温が身体に伝わる。

「シルエあったかい。」
「…私は寒い。」

自分の肩口に顔を埋めて満足気に呟くラトの首に、少し恨めしげに呟いたシルエが両手を絡めた。が、シルエにもラトの体温が伝わっているようで、その目は心地よさそうに細められている。

しばらく二人でそうしていたが、どちらともなく顔を上げ、身体をぴったりと合わせたままお互いの顔を見つめた。
水に濡れて艶やかさを増したシルエの髪を、ラトが片手でそっと撫でる。

その目には、確かな熱が揺らめいていた。
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