DEAREST -another story-
DEAREST -another story-
成人向完結
発行者:穂積
価格:章別決済
章別決済は特定の章でのみ課金が発生いたします。
無料の章は自由にお読みいただけます。

ジャンル:恋愛
シリーズ:DEAREST

公開開始日:2011/06/09
最終更新日:---

マイライブラリ
マイライブラリに追加すると更新情報の通知など細かな設定ができ、読みやすくなります。
章一覧へ(章別決済)
DEAREST -another story- 第1章 未来へ…
―――――――ェ



―――――――…ルエ……シルエ







声が聞こえる。
それはとても温かく、自分を包み込んでくれるような声だ。

忘れもしない、愛しい人の声。

「………ラ…ト?」
「シルエっ!!…よかった…。」

自分を抱きしめる強い腕。
シルエは未だ状況が飲み込めず、唯茫然と目の前のラトを見上げるばかりだ。

「…どうし…て?」

一体何が起こったのか。

確かにあの時ラトの心臓はその機能を停止していた。
自分だって朝の光を浴びたのだから生きているはずがない。
なのに…何故。

「…これは…夢?私はお前と死ぬこともできなかったのか?」
「違うっ夢じゃないっ!!シルエっ、俺達は生きてる!生きてるんだっ!!」

弾かれるように顔を上げたラトが、しっかりと肩を掴みながらシルエの瞳をのぞき込んだ。

その真っ直ぐな瞳は、あの残酷な夜に見た虚ろな瞳ではなく、二人で過ごした温かな時間常に向けられていたあの瞳だった。
痛いくらいに掴まれた肩からは、確かに彼の温もりを感じる。
次の瞬間、シルエの瞳が揺れたかと思うと、一気に涙が溢れ出しぱたぱたと音を立てて零れ落ちた。

「…ラ、ト…ラト!ラトぉっ!!!」

溢れだした涙は、悲しみの涙ではない。
痛む胸も、自分たちの運命を嘆くものではなかった。

そのまま掻き抱くようにラトの背に腕を回し、温かな胸に顔を埋める。
途端、耳に届いたのは、彼の命を表すような力強い鼓動の響き。
ラトもまた、腕の中の確かな存在を力一杯抱きしめた。
1
最初 前へ 1234567 次へ 最後
ページへ 
ページの先頭へ