DEAREST
DEAREST
完結
発行者:穂積
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛
シリーズ:DEAREST

公開開始日:2011/06/06
最終更新日:---

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DEAREST 第9章 DEAREST
「…畜生っ…!!」
「…ラ…ト…っく」
「シルエっ!」

悔しさに血がにじむまで唇を噛みながら、苦しそうに這い蹲るシルエを覗き込んだ。
彼女の額にはびっしりと汗が浮かんでいる。
呼吸は収まるどころか更に短く乱れていった。

「……離…し………近…づいては…ダ、メ…」

必死に耐えるように、乱れた呼吸の合間から途切れ途切れの言葉が届く。
しかしそれでもラトはシルエから離れなかった。

そんなラトに泣きそうになりながら、シルエは自らの身体の変化に怯えていた。
必死に自分の身体を抑え込むように、胸に両手を抱え込み身を丸めて耐える。



身体が焼けるように熱い。

まるで何日も水分を摂っていないかのように喉が乾いた。

ぼやける視界に映るのはラトの首筋にはっきりと見える赤い流れ。

この乾きを潤すことのできる唯一の液体。

しかしそれを口にするということは、

目の前の愛しい人の命を奪うということ。


…それだけは嫌。

絶対に口にしてはいけない。

初めて求めた、愛しい命。



…失いたくない。


…失いたくない。


…失いたくない。



………………失いたく…。


…………………………っ…。






シルエの視界が真っ赤に染まる。

彼女の意識はそこで………途切れた。
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