DEAREST
DEAREST
完結
発行者:穂積
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛
シリーズ:DEAREST

公開開始日:2011/06/06
最終更新日:---

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DEAREST 第8章 SATURDAY
―――この中に不届きものがおります―――

朝食時間。
いつも通り席につき食前の祈りを捧げようとしたその時のことだった。
一人の神父が席を立ち、そして言い放つ。
皆いきなりのことで動揺しているらしく、いつも静かすぎるくらいの食堂はザワザワと多くの声で満ちあふれている。
その殆どは疑問と戸惑いの声だ。
もちろんラトとジオも例外ではなく何事かと目を丸くしていた。

一方このざわめきをつくった本人はというと、食事前に打ち合わせでもしていたのだろうか、彼の神父が立ち上がった瞬間動いた、三人の神父見習いを連れて席を離れているところだ。
三人のは形こそ神父見習いだが、目つきは見るからに好戦的な雰囲気を纏い、神職に連なるものとは思い難い若者達だ。
ラトはその神父が嫌いだった。
勿論彼に下僕のように付き従うこの三人もだ。

別に危害を加えられた訳でもないが、自分の高い身分を利用して物事を押し通し、気に入らないものを排除する彼らの行動の全てが、ラトに生理的な嫌悪感を与えていたのだ。
それに彼らは普段自由気ままに行動するラトを見る度に、目の敵にして言いがかりを付け文句を言ってきたり罰を与えたりしていた。
まぁラトもそんな奴らに屈するほど臆病でもなかったので突っかかられるたびに反抗していたが…。
兎に角、好意を持っていないどころか嫌悪感を与える彼らに関わりたくもないので顔を伏せようとしたラトだったが、あろうことかその嫌悪の対象が近づいてくるのに気付き溜め息を吐いた。
無視すると後で何を言われるかわからない。
面倒ごとを心底嫌うラトは渋々と面を上げた。が、次の瞬間信じられない言葉を耳にした。

「皆聞け!この者は吸血族と交わった不届き者である。これは人としての道、否、神に背いたも同然。」

ラトは神父の分厚い唇に卑猥な笑みが浮かぶのを見た。

「…よって、この不届き者を吸血族共々極刑に処し、その亡骸を天に返すこととします。」
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