番外【蒼い月、蒼い空】君の安らぎになりたい
番外【蒼い月、蒼い空】君の安らぎになりたい
成人向
発行者:ヨアケノツキ
価格:章別決済
章別決済は特定の章でのみ課金が発生いたします。
無料の章は自由にお読みいただけます。

ジャンル:恋愛
シリーズ:蒼い月、蒼い空

公開開始日:2011/05/31
最終更新日:2011/06/24 02:59

マイライブラリ
マイライブラリに追加すると更新情報の通知など細かな設定ができ、読みやすくなります。
章一覧へ(章別決済)
番外【蒼い月、蒼い空】君の安らぎになりたい 第1章 君の安らぎになりたい
   〈告白〉






「え…、どうかしたの…?」


「お前、泣いてたぞ。びっくりして隣に来たら
苦しそうにもがき出して…」

「…息、詰めてた…」

「 …え 」



…今、の…?。



動悸が止まない。
汗が背をつたう。

〈あの時の〉恐怖が 又、襲う。繰り返し、繰り返し。


「…そっかぁ、久しぶりだな…」

「こんなの しょっちゅうだったのか…?」

「うん。ユーマに遭うまではね…」

翔は薄く笑ったが、そこは笑うとこじゃないだろ、と思ったが 気を使っての事か。



「…あの時…襲われたぼくを発見したのが 」

「…女子だったんだ…」
「えっ…」
侑馬は 言葉を失う。


「…ぼくは すぐにも死んでしまいたかった…」

驚いて、翔の顔を見る。
すると 彼は やっぱり笑っていて。

いや、泣き出しそうに 表情を歪めていたのかもしれない。



「…ここと、ここと ここ…あ、これも。みんな、カミソリ。…だけど 全然死ねないの…」

翔の目は どこか中空を見つめていて、それでいて 意識はよそに飛んでいた…


「もういい!翔、やめろ!…もう、いいから…」
侑馬は 半泣きだったかもしれない。

大の男がみっともない、
などと、この時の侑馬の頭には浮かばなかったに違いない。



顔は穏やかに見えるが、翔の体は 小刻みに震えていた。

迷わず抱き締める。


〈痩せギス〉という程ではないが、翔は 線の細い方だ。

何だか消えてなくなりそうに 影が薄い…。


「カケルっ!カケルっ!…」



やはり 泣いてしまう。

馬鹿だ。


泣いていいのは、

いや、

泣くべきは 翔の方なのに。
8
最初 前へ 567891011 次へ 最後
ページへ 
ページの先頭へ