■彼女ノ啼キ恋■
■彼女ノ啼キ恋■
成人向
発行者:黒崎 唯音
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/05/17
最終更新日:2011/05/20 00:11

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■彼女ノ啼キ恋■ 第1章 夏と呼ぶにはまだ早いはずの4月。
次に夏目が目を覚ましたのは人の気配と、額に触れた冷たい水の感触だった。
夏目がうっすらと開いた視界に飛び込んだのは記憶に新しい丸眼鏡の女―椎木だった。

「おま…なんで」

声を発して気付いたが喉が灼けるように渇いている。
そういえば昨日はどれだけ飲んだか覚えていない。

「昨日のお礼をしたくて。」

椎木は水の入ったペットボトルを夏目に渡した。

「昨日の今日で礼か」

夏目は受け取ったペットボトルを一気に飲み干し、額に乗っていた濡れタオルを取り払い椎木に手渡した。
椎木はそれを持って「こういうのは早い方が良いかと思ったの」と言い残して寝室から出て行った。
カラカラだった喉が潤い、次に体が欲したのは煙草だった。
煙草を求めリビングへ出ると昨夜の記憶にあるはずの大量の空き缶たちはなくなっており、テーブルの上の灰皿は空に、ソファの背もたれに投げかけた筈の背広はハンガーに掛けられ、壁に掛かっていた。

「これ、お前がやったのか」

不気味なほど綺麗になったリビングはまるで他人の家のようだ。
テーブルに置いたままにしていたはずの煙草を捜しながら夏目は口を開いた。

「勝手なことをしたと思ってる。けどあまりに汚かったから。」

椎木はキッチンの流しで先ほど受け取ったタオルを洗いながら椎木が答えた。
夏目は煙草を諦め冷蔵庫にあるミネラルウォーターを求め椎木のいるキッチン側へ行った。

椎木は今日は私服を着ている。
柔らかな印象を与える小花柄のワンピースだった。
半袖なのか、ワンピースの上からは長袖のボレロを羽織っている。
よく見れば首から下は高校生とは思えない程妖艶な体つきをしていた。
黒髪によく栄える白い肌に、チラリとみた胸元からはしっかりとした谷間が見えた。
そう長くないスカートの裾は女性らしい白いレースが見えた。
スラリとした脚は細く夏目を掻き立てるものがある。


「でもその眼鏡じゃあな…」

ボソッと呟いた夏目の独り言は椎木の耳に届いたかどうかは定かではない。

「眼鏡、変えないのか」
「昔からすごく目が悪くて。」
何も言わず寝室へ消えた夏目が再び椎木の前に現れた時は、夏目は出掛けるように着替えて来た。

「コンタクトでも眼鏡でも買ってやる。
兎に角、その眼鏡は辞めろ」
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