Love Story~斉藤一 
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発行者:篠田みどり
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/05/06
最終更新日:---

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Love Story~斉藤一  第8章 「約束」
「今から17年前、私の両親は結婚してまもなく日本にやってきて、長崎の出島で各藩の主要幹部と武器の密売をはじめた。そこに長州藩士である伊勢谷という男がいた。あいつは他の藩が仕入れた武器を横取りし、私の父を殺し、母を強姦した。その時できたのが私だ・・・・・」
「じゃあ、お前は実の父親を殺すつもりか?」
「そうだ。母もあの男を恨んで死んでいった。災いの子を産んでしまったことを後悔し、私の顔を見る度に、狂ったように自分を非難し続けた毎日だった。母のためにも、自分のためにも奴を殺さないと国には帰れない。」
「自分のためとは?」
「・・・・母の死によって、私が強姦されてできた子供だと周りの人が知ってから、私自身も何度も強姦された・・・。どうせ汚い体なんだろうと、ののしられた・・・。奴を殺さないと、私は新しい人生を切り開くことができない。だから日本に来たんだ。伊勢谷は他からも汚い手を使って武器を手にしている。これは新撰組にも都合が悪いのではないか?だから・・・」
「だめだ。約束は約束だ。すぐ自分の国に帰れ。」
「12月にならないと・・・帰るに帰れない。大阪から次の船が出るのは12月だ。それまでには伊勢谷を倒す。もちろん今までの殺しも私がやったと自白する。それなら・・・どうだ?」
「どっちにしろ、お前は怪我をしている。その足では戦えないだろう。それに奴に近づく事はおそらく無理だ。長州にとって大事な武器商人ゆえ、かなりの腕利きが奴の周りを固めていると聞いた。」
「私には無理だと言うなら12月までにうまくなってみせる。剣術を教えてくれ。」
その台詞を聞いて、齋藤はすっくと立ち上がった。
「今夜はここでお前を見張る。今晩にでも伊勢谷を殺しに行くかも知れないからな。心配するな。外で寝る。」齋藤はそう言って引き戸をひいて出て行ってしまった。
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