Love Story~斉藤一 
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発行者:篠田みどり
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/05/06
最終更新日:---

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Love Story~斉藤一  第1章 「殺人事件」
この日もよく晴れた秋の空が、京都の町を見下ろしていた。江戸時代末期の動乱のさなかとはいえ、そこに住む人々の表情は優しく、皆懸命に生きているそう言った雰囲気が伺えた。
懸命に生きる、それはこの時代に京都において反幕府勢力の取り締まりのための警察活動に従事する新撰組にとっても同じ意味を持っていた。これからの日本を思う気持ちは、彼らと敵対する長州藩、薩摩藩の武士たちとは変わりがない。ただ、互いに捨てられない信条が違っているだけだ・・・。

京都の治安部隊として名高い新撰組の評判は決して良いものばかりではなかった。「会津藩預かり」という非正規部隊であったにもかかわらず、池田屋事件などで京都に潜伏する過激派・尊王攘夷論者や不逞浪士の取り締まりにあたった際には、その強行ともいえるやり方に、住民から「暴力者たち」と噂されることもしばしばあった。しかし彼らの日常生活は至って庶民的であり、彼らもまた京都の農民、商人らと変わらない若者達であったのだ。

京を闊歩する時に着ているあさぎ色の服に包まれた彼ら達が、住民達からややそういう目で見られていた頃、観察斥候である山崎蒸は、そんな新撰組一行の横をすり抜けながら、さっと手紙を差し出した。
「ここでは多くを語れません。この手紙を局長にお伝えください。」
山崎は黒い覆面の口元を少し開けながら、一番隊組長沖田総司にそう告げると、瞬く間に人混みに消えていった。受け取った沖田総司もまた無言のまま、何もなかったようにそれを懐にしまった。
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