サイド イフェクツ-薬の鎖-
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発行者:てきーら
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ジャンル:ノンフィクション

公開開始日:2011/04/25
最終更新日:2012/09/23 14:28

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サイド イフェクツ-薬の鎖- 第4章 DATA4 決別
午前十時くらいであったが、すでに二組の子供連れの主婦が静かに戯れていた。美佐子は軽く挨拶をしベンチに座り、子供は嬉しそうに砂場のほうへ駆けていき、他の幼い子供達と人懐つこそうにして群れに加わっていった。ゆったりと自分はひとりさびれた侘しいベンチに腰掛けながら、彼女は娘の順調に成長している様子を頼もしげに柔らかく見つめた。近くには自分と年齢にさほど大差はない若いマダムの微笑んでいる表情も見える。その楽しそうな、何も悩み事などないような雰囲気の中で、まるで自分だけが禍事の渦中に取り残されているような気さえした。ニ時間ほどして、二人はまた妹のマンションへ戻り、昼ご飯を食べた後、リビングで何もする事なくだらだらとテレビを見ながら過ごしていた。こんな退屈な味気ない日々が一週間ほど続いた。はじめのうちは、主婦としての苦悶生活から解放されたという事で、リラックスもできたが、次第に少しずつ無気力な感じにもなってきた。夜も最初の二、三日は眠りに就く事ができたが、それを過ぎると深夜に数回目が醒めるなどして充分な睡眠が取れない日も次第に多くなってきた。日を重ねる毎に蒼白く冴えない表情を浮かべる姉の様子を窺うと、妹は自然と憂色を表し、もしかしたら“うつ”になってしまったのではないかと思うようになった。精神的に不安定な状態も続き、DVDで色々な映画を観て気を紛らわそうとしても、何故か一向に興味が湧かず、途中で巻き戻しするばかりであった。他にも、パソコンを使ってネット弄りなどしてみたが関心が湧かず、リビングのソファに身体を放り投げて、ただポカンと壁に疲れたような視線を向けたまま終日を過ごす時間も多くなってきた。睡眠時間もまともに取れない日も多くなり、すぐに眠ることができたとしても、悪夢を見る回数が多くなってきた。生活自体も不規則な状態に様変わりし、このままでは姉も廃人になってしまうと心配した妹は薬局に出向いて、うつ状態に効果が有りそうな薬を買ってきてくれた。美佐子はすぐにそれを飲み始め、次第にそれが効いたかのように、少しずつではあるが、精神的に落ち着いた感じを保てるようになってきた。
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