サイド イフェクツ-薬の鎖-
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発行者:てきーら
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ジャンル:ノンフィクション

公開開始日:2011/04/25
最終更新日:2012/09/23 14:28

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サイド イフェクツ-薬の鎖- 第4章 DATA4 決別
「今頃、びっくりしてるだろうな。矩史」
奈々歌が自分らのために用意してくれた寝室の小洒落たベッドで仰向けになりながら、美佐子は夫の事を早くも秋思していた。ギャンブルにまみれたあの酔漢は私が突然メモ書きだけ残してずべ公のようにいなくなったことに憤慨して、またグラスを叩きつけたりしているのだろうか。誰もいない居間で一人何か奇声を喚(おめ)いて、天井に向かって見えない私に泣訴でもしているのだろうか。そんなふうに、暫くのあいだ、夫が今どんな心境で今日の夜を過ごしているのか、胸裏は恐怖と些かの好奇心が入り雑じり、女は暗闇の天井をじっと見つめていた。泥酔して暴走してしまうのは、私の今日のように逃げ出したりすることが悪いのでは、とさえ思ってしまう。あれこれ様々な憂慮が脳裏を通り過ぎ、眠りに落ちたのは結局深夜ニ時を過ぎてからであった。翌朝、いつもと同じく八時過ぎにベッドから起き上がった。頭は怠さが残っていたものの、身体のほうは若干軽やかに感じられた。洗顔した後、玄関へ目を遣ると何やらメモ書きが残してあった。奈々歌はすでに仕事に出掛けていったみたいでいなかった。彼女は某食品会社の社長秘書をしているのであった。美佐子は幼い子供と一緒に留守番をしていた。居候のように突然移ってきて、あちこち周りをぶらつく訳にもいかなかったのである。夜七半過ぎ、妹がようやく帰ってくる。彼女がいうには、ずっと部屋にいても退屈だろうし、なんなら近くの公園やコンビニくらいなら足を向けてくればいい、という事であった。翌日は妹の広いリビングのまったりとした空間が心地良かったせいか、ずっと部屋にいたが、翌々日に姉は娘の萌々香は、近所の公園へ退屈を紛らす意味も込めて、一緒に歩いて行った。その日は穏やかな秋空に、爽やかな風が二人の頬をかすめていった。
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