サイド イフェクツ-薬の鎖-
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発行者:てきーら
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ジャンル:ノンフィクション

公開開始日:2011/04/25
最終更新日:2012/09/23 14:28

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サイド イフェクツ-薬の鎖- 第4章 DATA4 決別
コンビニで軽く買い物を済ませ、早速タクシーを呼んだ美佐子は、本を立ち読んでいるふりをしていた。娘はその傍で座ったり適当に本を掻き回したりしてはしゃいでいた。十分くらいすると、ハイヤーが駐車場に入って来たのが見えたので、二人は店内から出て素早く乗った。駅までは二十分くらいであった。そして、駅に着くと、新幹線に乗るため、急いで切符売場へ向かった。既に陽は西に大きく長い帯状の光の束を街のそこらじゅうに放って輝いていた。
(このままいけば夜七時くらいには、妹のマンションに着くことができるわ)
まだ発車していない自由席の座席にゆったりとひとまず腰を落ち着けられると、美佐子はようやく少しずつではあるが、安堵感が胸に拡がってきたような気がした。妹が住んでいるところは都内に近いS市にあった。彼女達が乗ってから二十分して新幹線は動き出し、約一時間半後にS市のO駅に到着した。それからすぐに、今度は奈々歌のいるマンションの近くまで、バスに乗り換えたのであった。
“ピンポーン”「奈々歌。私だけど」
夕方過ぎの六時五十分。美佐子とその娘は、なんとかマンションまで辿り着き、やや臆した表情と指先で妹がいる部屋のインターホンを押した。秋分を過ぎた十月の夜の空気は、すでに冬を思わせるように涼しさを通り越して冷たさが肌の至る処に感じられた。辺り一帯は街の灯がしめやかにまばゆく輝いていた。
「は~い。あっ、お姉ちゃん」
インターホンの奥で妹の柔らかい声がした。そして、軽く“ガチャッ”と錠を外す音が聞こえた。数年ぶりに再会した姉妹(きょうだい)は、その歩んできた境遇は違えども、どこか自然と気を遣わずに言葉を交わせる余裕があった。妹の奈々歌は、二人が今日自分のマンションに移ってくる事を知っていたので、彼らの分まで夕食を作ってくれていた。美佐子と幼い娘の萌々香は、彼女にお礼を言ってそれを美味しそうに全部食べていった。それからまた、ストレスや疲れを癒すため、ハーブの入浴剤を万遍に使った広く綺麗なバスルームで久しぶりにゆったりとした空間を満喫した。既に時計の針は十時を指そうとしていた。妹にも勧められ、今夜は疲れたであろうから彼女は早めに身体を休める事にした。
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