もう1度、会いたかった
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発行者:如月玲
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2011/04/15
最終更新日:---

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もう1度、会いたかった 第1章 幸樹の秘密
……

幸樹は胸を押さえて苦しんでいた。

「幸樹は…何の病気なんですか?」
「おそらく狭心症だと思うよ。」
「狭心症!?」
「…君は知らなかったんだね?」
「はい…今まで、そんなこと一言も…」
「そうか…」

…病院に着く頃になって、幸樹は落ち着きを取り戻し始めていた。呼吸が緩やかになっているのを見て、亮二はほっとして幸樹に呼びかけた。
幸樹は、目を見開いて亮二を見た。

「亮二…?」
「本屋から出たら、救急車に幸樹が乗せられるのを見たんだ。」
「!」

幸樹はとまどったように目を泳がせ、救急隊員に言った。

「僕、もう大丈夫です…降ります。」
「え!?君、駄目だよ!」
「いえ。いつもの症状なので大丈夫です。もう降ります。」

幸樹がそう言って体を起こした。亮二と隊員が必死に、その幸樹の体を押さえた。

「幸樹!ちゃんとお医者さんに診てもらった方がいいよ!」
「大丈夫だって…」
「幸樹!」

亮二と隊員は病院に着くまで、幸樹を押さえ続けた。

……

幸樹は、結局病院の診察を受けた。…やはり「狭心症」と診断された。
そして亮二が驚いたのは、幸樹が健康保険に入っていなかったことだった。国民保険も払っていないと、幸樹が会計で言っているのを聞き、思わず立ち上がって幸樹の横に立った。

「それでしたら…全額負担になってしまいますが…」

会計の女性が困ったように言った。
金額は1万円を超えている。

「あの…お金、明日でもいいですか?」

幸樹が言った。会計の女性は「いいですよ。」と快く答えていた。
亮二は「俺が立て替えるよ」と言って、財布を取り出した。

「!亮二…!…いいよ!明日払えるから!」
「だってここって、あのコンビニからもかなり離れてるじゃないか。また来るのに大変だろう?」

亮二がそう言うと、幸樹はうなだれた。そして申し訳なさそうに頭を下げた。

……

亮二はタクシーの中で、黙って座っている幸樹を心配そうな目で見ていた。

「…薬、ちゃんと持った?」

幸樹はこくりとうなずいて言った。

「ありがとう…亮二…。助かった。明日、亮二にお金返すから…」
「お金は土曜日でいいよ。」
「うん…ありがとう。」
「ううん。俺も世話になってるしな。」

亮二がそう言って幸樹を見ると、幸樹は少し微笑んでまたうつむいた。
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