蒼い月、蒼い空
蒼い月、蒼い空
完結
発行者:ヨアケノツキ
価格:章別決済
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ジャンル:その他
シリーズ:蒼い月、蒼い空

公開開始日:2011/03/30
最終更新日:---

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蒼い月、蒼い空 第1章 プロローグ
   〈笑い皺〉

「飲むか?…コーヒー」
知らない男が声をかける。ぼくは返事も出来ずに彼の顔をじっと見る。

その様子に黙って男は用意したコーヒーを差し出した。
大きめのマグに入った、湯気の立ち上るもの。

まだ体が鉛みたいだ。

持たされたマグカップが重く感じる。

ほとんど無意識に口をつける。

「アチ…!」

「悪い、悪い。熱すぎたか? ミルクでもいれてみるか…」

男は独り言みたいに言うと小さな冷蔵庫の方へ行ってしまう。

(ここ、どこなんだろう…?)


座ってられなくて、横になる。

「…飲むか?」

遠慮がちに差し出されたそれを よいしょと起き上がり飲む。

「 おいし… 」

「そうか」

ぼくの一言に、ほっとした笑みを浮かべる。

(あ、笑いじわ…)

色の黒いごつい男の瞳がくしゃっとしわの中に見えなくなった。

短く刈り上げた髪と肌の色は、屋外労働者の様だ。

後ろを向いた背中は がっしりとして、鍛え上げられた筋肉を纏(まと)っている。

男が行ってしまうと、ぼくは、ミルクコーヒーをすすりながら 部屋を見渡す。

八畳程の粗末な丸木小屋…。
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