蒼い月、蒼い空
蒼い月、蒼い空
完結
発行者:ヨアケノツキ
価格:章別決済
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ジャンル:その他
シリーズ:蒼い月、蒼い空

公開開始日:2011/03/30
最終更新日:---

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蒼い月、蒼い空 第1章 プロローグ
 〈刻白〉


「人魚って…」

口に出してみる。

“手を出すな”…?

急に胸が騒ぎ出す。
もしや、まさか、ユーマも…?


「…ん?ああ、なんでもない。ガキの戯言(たわごと)だ」

「…え」

それで済ますのか?
この人は。


「そ、そっかぁ…」

うう。
聞きたい。無性に。


ユーマが小屋の中の私物をまとめているので こちらも真似して同じ事をしてみる。

ここで暮らす様になってから増えたぼくの荷物。
ユーマに貰ったTシャツやら 着替え、歯ブラシなどの簡単な生活雑貨。


身一つで来た。
荷物なんて ほとんどないに等しいけれど。



二人、無言で同じ空間にいる。けど、何を話せばいいかわからない。

沈黙、沈黙…


「あのな…」

静けさを破る、ユーマの 声。

「暇が出来たわけだし」

なんだろう。


「旅行にでも行かないか?」


思いがけない提案だった。

さらに、

「俺さ…
海で 顔だけ浮いてたお前の事、女のコかと思ったんだ。
悪いっ」

頭を掻き掻き、ユーマが言った。



胸に“刻まれる”告白…
ユーマは自分の事をほとんど話さない。


もう少し近づいたら、
あるいは、

ユーマの本音をもっと、もっと 引き出せるかもしれない。

笑顔の下に隠した、素顔の ユーマ…


ぼくは、
旅行に行く事を承知した。
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