蒼い月、蒼い空
蒼い月、蒼い空
完結
発行者:ヨアケノツキ
価格:章別決済
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ジャンル:その他
シリーズ:蒼い月、蒼い空

公開開始日:2011/03/30
最終更新日:---

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蒼い月、蒼い空 第1章 プロローグ
〈人魚姫〉


「なぁなぁ、なんで店開けないんだ?」

太一とセナの悪ガキコンビが聞く。

すると、店の片付けをしていたユーマが答える。

「お前らが 毎日悪さするからだろ?」

「本当か?」

素直に信じ込む所は さすがに小学生だ。可愛げがある。


「オレ達がカケルにちょっかい出さなかったら、店、やるのか?」

セナが心配そうな顔で訊ねる。


「…そうだな…」

ユーマが真顔で言いかけるのを制して

「違うよ、…君たちのせいじゃないから!」

ぼくが間に入る。


太一がぶっきらぼうに、

「…悪かったな…。カケル」

そっぽを向きながら言った。

「違うんだ。君たちのせいなんかじゃないから、本当に」

『そうなのか?』
という顔で今度は真正面から見つめてくる。
その目にドキリとする。

「本当に」

だから こちらも真顔で頷く。


ほっとする表情。

「じゃあ、どうして?」

当然の疑問だ。

「え…と、それは…」

一言では…

「俺がバカやっちまったんだよ、さぁ、店じまいだ。餓鬼はよそ行きな」

まだ聞き足りない様子の二人の背中を ユーマが強引に押し出す。



その時、太一が言った。

「ユーマ、“人魚姫”に手ぇ出すんじゃねぇぞ」

「…ハァ?」

思わず 意味がわからず驚くと

「あ、お前 余計な事を!…」

珍しくユーマが慌ててる。


「ユーマはね、カケルの事を最初、人魚だと思ったんだって!」

セナがバラした。

「 ! 」

二人で同時に驚いた。

ぼくは、真相が知りたくてユーマを見つめる。

“あーあ、言っちゃったよ”という顔で太一がセナを小突く。

小突きながら出て行く。

「…参ったな…」

頭をポリポリと掻きながら ユーマが呟いた。
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