蒼い月、蒼い空
第1章 プロローグ
〈光〉
彼は、光だ。
いつも大勢の人に囲まれ、笑ってる…。
彼の笑顔に触れたなら、誰もが暖かい気持ちになれる…
そう、ぼくとは正反対。
彼の人柄に惹かれる。
彼の優しさに惹かれる…
彼のパワーに憧れる…
そして、
嫉妬する。
ぼくは そういう人間。
この、命を救って貰っておきながら、
そういう、
狭い考えの
人間。
自分で自分が情けない。
自分で自分が
キライだ!
だから いいんだ。
こんな人間など、
穢(けが)しても!
父さんにも 嫌われてるし…!
ユーマに 惹かれてる。
人間として。
だからこそ、
よけい 悲しくなる。
こんな、
自分に!
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