蒼い月、蒼い空
第1章 プロローグ
〈一日〉
海の家の一日は、掃除から始まる。
海岸に流れ着いた物から、海水浴客が残していった物…。
早朝の日を浴びながらの作業は、今ではぼくのお気に入り。
日の出のショーは
それはそれは美しく、
ぼくに勇気とやる気、生きる気力をくれる。
特に信じてるものもないけど、この時ばかりは、
神様っているのじゃないか…
なんて
思う。
さんざ、
恨んだ 神様なのに。
感傷に浸る間もなく
忙しい一日が今日も始まる。
失敗して ユーマの足を引っ張らないように
しなくちゃ。
だけど、
純粋に 働くのは 楽しい。
悪ガキとか、頭の痛くなる事はあっても。
(文字通り)汗水垂らして 人の役に立てるんだ。
こんな、ぼくでも!
それが嬉しい。
ぼくは
一心不乱に働いた。
まるで、
何もかもを忘れるみたいに。
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