歴史エッセイ集「今昔玉手箱3(東洋文明編)」
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ジャンル:未設定
シリーズ:今昔玉手箱

公開開始日:2011/03/25
最終更新日:2011/03/25 12:27

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歴史エッセイ集「今昔玉手箱3(東洋文明編)」 第2章 東方精神の章(仏・密・禅)
武帝が問う。

「朕、即位以来寺を造り経を
写し僧を度すること挙げて
記すべからず。なんの功徳が
ある?」

ボーディダルマ答えて曰く

「無功徳」

愛想もへったくれもなく、バッ
サリと斬って捨てた。彼は
真理をありのままに語り、どん
な気休めも与えない。相手が
暴君なら、彼の命は無かった
かもしれない。買い物のポイント
でもあるまいし、徳だ功徳だと
善果を期待して行っても偽善
にすぎない。仏の慈悲は無縁
の大悲。太陽は本燃(ほんねん)
の自性(じしょう)のままに燃え、
普く世界を照らしているでは
ないか、と言いたいのだろう。
真の功徳とは、世界に普く
行きわたる純真無垢なる智慧
のこと。その本質は空であると、
ボーディダルマは語った。

謁見から1ヶ月後の10月
19日、ボーディダルマは武帝
との仏縁よろしからずという
理由から、長江を渡って北魏の
都・洛陽に向けて旅立った。


洛陽の南、河南省嵩山(すうざん)
は、1440mの太室山を最高
とする山岳群で、山東省泰山
(たいざん)・湖南省衡山
(こうざん)・陝西省華山・山西
省岱山(たいざん)と共に、
古代から道教の霊場(五岳)と
して信仰の対象だった。山麓
には歴代王室の離宮が営まれ
ていた。
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