歴史エッセイ集「今昔玉手箱3(東洋文明編)」
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シリーズ:今昔玉手箱

公開開始日:2011/03/25
最終更新日:2011/03/25 12:27

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歴史エッセイ集「今昔玉手箱3(東洋文明編)」 第2章 東方精神の章(仏・密・禅)
 こうして禅は、沈黙と笑いから
始まった。そして、これを理解
出来た人から人へ、全体から全体
へと伝承され、インド禅28祖の
法灯が成立した。この28人目の
人物こそ、中国に禅を伝えた
ボーディダルマ(菩提達磨)である。

 ボーディダルマとは、あの赤
くて丸いギョロ目のダルマさん
の事。実在した人物だが、詳しい
事はあまりよくわかっていない。
南インドのバラモンの家に生まれ、
プラギャターラという女性に
よって得度を受け、中国へ禅を
伝えるよう命じられたと言われ
ている。

ローマ帝国がキリスト教
に呑み込まれた5世紀後半。
東インドに生まれた女性、
プラジニャーターラ(般若
多羅)は、インド禅26祖
の不如密多の法を継ぎ、
27祖となった。

ターラは観音が流した涙の
雫から生じた蓮華から生ま
れた菩薩である。輪廻の海
を渡り、迷える人々に救い
の手を差しのべる聖なる
仏母(ぶつも)。プラジニャー
(般若)とは一切の事物や
道理を洞察的に認識出来る
深い叡智。

「私はあれこれ理屈を言う
ことなく、あるがままに
真理であるこの世界を
生きている」

という意味の彼女の言葉
が残っている。人はとかく、
あれこれ理屈をつけて神と
人間、天国と地獄、天使
と悪魔、私たちとあいつら
などに世界を分割し、この
世界(宇宙)をあるがまま
無条件に丸呑みして受け
入れることは希である。

彼女は南インド香至国の
首都カーンチーに赴いた。
香至国はバッラブア王朝の
時代。国王は厚く大乗仏教
を保護していた。国王には
目浄・功徳多羅・菩提多羅
という3人の子があった。
ブラジニャーターラが国王
に謁見した際、国王は戯れ
に国宝とも言うべき宝石を
取り出し、3人の子らに

「この世でこの宝珠より
勝れたもの有りや?」と
問うた。

目浄と功徳多羅は「この
宝珠が最も尊い」と答えた。
しかし3男の菩提多羅は
「この宝珠がどれほど尊い
と言っても、所詮はこの世
の宝。法(真実)の宝ではない」
と答えた。ブラジーニャ
ターラは、即座に3男のただ
ならぬ資質を見抜いた。
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