歴史エッセイ集「今昔玉手箱3(東洋文明編)」
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ジャンル:未設定
シリーズ:今昔玉手箱

公開開始日:2011/03/25
最終更新日:2011/03/25 12:27

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歴史エッセイ集「今昔玉手箱3(東洋文明編)」 第2章 東方精神の章(仏・密・禅)
○禅の大河


 日本人にとって「禅」は、割合
なじみ深い宗派である。同時に、
わかっているようでわかっていな
いのも、禅の特徴のようである。

 禅とは、古代インドのサンス
クリット語で「ディヤーナ」、
パーリ語で「ジャーナ」と呼ばれ
ていた。ディヤーナとは、思考
のプロセスや感情の起伏を超えて、
静寂の中に入る「境地」を指し
示す言葉として用いられていた。
それが中国語で「チャン」と
呼ばれ、日本で「ゼン」に変化
したのである。

 禅の初祖は、釈迦十大弟子の
1人、マハーカーシャパ(摩訶
迦葉)だと言われている。ある
時釈迦が、朝の法話の時間に、
一輪の花(薔薇とも蓮とも言わ
れている)を手にして現れた。
釈迦は一言も語らず、花を
見つめたままだった。弟子たち
はそれが何の意味なのかわか
らず、オロオロするばかり
だった。そんな中ただ1人、
マハーカーシャパだけが
にっこりと微笑した。釈迦
は彼を呼び寄せて花を与え、
この朝の法話を終えた。

 エピソードとしては、これ
だけの話である。禅の世界では、
このマハーカーシャパの微笑み
を「拈華微笑(ねんげみしょう)」
と呼んでいる。そして「釈迦
から迦葉に、一体何が伝授され
たのでしょうか?」と、2500
年にわたって問われ続けている
のである。なるほど、言葉を
超えた理解が特徴の、禅の
始まりにふさわしい。
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