歴史エッセイ集「今昔玉手箱3(東洋文明編)」
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ジャンル:未設定
シリーズ:今昔玉手箱

公開開始日:2011/03/25
最終更新日:2011/03/25 12:27

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歴史エッセイ集「今昔玉手箱3(東洋文明編)」 第2章 東方精神の章(仏・密・禅)
 そんな事もわからぬのかと、空海
は最澄の基本姿勢に憤ったのである。
「秘蔵の興廃は、唯汝と我なり」と
空海は書く。密教を理解して広め
ようとする立場の人間はお前と俺
だけなのに、お前がそれ程わから
なくてどーすんだよと、かなり
キツい。

 我に2種ありと、空海は語る。
1つは五蘊(色受想行識)の小我。
色は肉体や物質。受は肉体の知覚
作用。想は想念、表象作用。行は
人間の意志。識は広義の精神作用。
要するに、この世に肉体を持って
生き、思考したり感じたりする
「我」というのは、実体の無い、
移ろい易い仮の「我」だよという
わけである。その五蘊の小我の奥に、
真の我である無我の大我が在り、
汝の中に無量の衆生が有るでは
ないかと、最澄に説いているので
ある。

 宇宙的真実を体現した空海に
出会ってしまった最澄は、幸運
だったのか不運だったのかは
わからない。ただ風信帖から垣間
見える2人の関係には、いわく言
い難いほろ苦さがあるようだ。
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