歴史エッセイ集「今昔玉手箱3(東洋文明編)」
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ジャンル:未設定
シリーズ:今昔玉手箱

公開開始日:2011/03/25
最終更新日:2011/03/25 12:27

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歴史エッセイ集「今昔玉手箱3(東洋文明編)」 第2章 東方精神の章(仏・密・禅)
 南インドで1年余りを過ごした
般若は、南伝仏教の様子を学ぶ為、
シンハラ国(スリランカ)へ向かい、
5年ほど滞在する。この間のいずれか
で、金剛智が密教を伝えるべく、船で
唐へ渡ったことを知ったのだろう。
般若の心も、未知の大陸に向かって
動き始めた。

 781年、47歳になった般若は、
シンハラ国から船で唐を目指した。
どのような航海だったかを知る手がかり
として、「法顕伝」を用いる事にする。
法顕は399年に長安を出発し、陸路・
中央アジアからインドに入り、411年
秋にシンハラ国から海路帰途につく。
乗員200人という大船で、13昼夜
でインド洋のニコバル諸島に着く。
大船は全長40~50メートル、
約20トンクラスの木造帆船であった
と推測出来る。

 風が頼りの航海だった。インド洋
では12月から2月にかけて、東北東
の季節風が吹く。古来よりこの風を利用
して、インドからスマトラ(インドネシア)
方面へ貿易船が出航していった。帰路は
6月から8月に吹く、西南西の季節風を
待ったのである。

 また、羅針盤のないこの時代は、日月
星辰を見て進路を定める航海だった。

「暗夜にあっては、ただ大浪が相打って晃
然と火のように見えるものや、亀の類、
水に棲む怪物などを見るのみである」と、
法顕伝は暗夜航路の心細さを伝
えている。
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