歴史エッセイ集「今昔玉手箱3(東洋文明編)」
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ジャンル:未設定
シリーズ:今昔玉手箱

公開開始日:2011/03/25
最終更新日:2011/03/25 12:27

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歴史エッセイ集「今昔玉手箱3(東洋文明編)」 第1章 海と潮流の章(星と海はロマンと伝説の宝庫)
 精工舎は、関東大震災で工場が
焼け落ちたのを機に、長野県諏訪
の地に工場を求め、東洋のスイス
を目指す。1959(昭和34)年
5月、諏訪精工舎と名を改め、
ひそかに次世代時計の研究にとり
かかる。水晶時計(クォーツ)で
ある。

 水晶に電気を流すと、正確に
振動する。この振動を時計の針
の運動に変えれば、機械時計の
10倍の精度が得られると、
理論的にはわかっていた。だが
実際時計にするとなると、さま
ざまな問題が立ちはだかっていた。

 1964(昭和39)年の東京
オリンピックの時には、クリス
タル・クロノメ―ター951と
いう、世界初の水晶時計を発表
する。平均日差0.2秒の高精度
ながら、重さ3キロ。果たして
これが、腕時計になるのか?
水晶時計の小型化は不可能と言わ
れていた。

 ところが、それからわずか5年
後の1969(昭和44)年12月
25日、水晶発振式腕時計「セイ
コークオーツ35SQ」が発表
されるのである。設計者は栗田正弘。
外径35ミリ、厚さ5.3ミリ。
時計業界ではこの日を「クオーツ
元年」と呼んでいる。時計史の
革命だったのである。

 時計の中身は水や砂、歯車や
ゼンマイから、IC、液晶、
銀電池などに姿を変えていった。
精度は日差10万分の1秒に
まで進化している。しかし、
これだけ時計の精度が向上した
というのに、時間というものは
楽しい時には速く、辛い時には
のろのろと進むもののようだ。
人間とは、いつの世でもわがまま
で、複雑な感性を持つ生き物の
ようである。
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